【第16弾】あの大喜利プレイヤーに直撃インタビューしてみた

インタビュー

どうも笑うモールス信号です。

大喜利プレイヤーにインタビューをする企画の第16弾です。

今回インタビューさせていただいたのは、主戦場対抗大喜利フェス2021で準優勝に輝いたこの方です!

 


臭い紅茶さん

主戦場対抗大喜利フェス2021では準優勝、ボケクエ4ではさつじんきで3位と

大規模大会の決勝戦の常連である臭い紅茶さん。

個人的にはキャスでサポートしていただいたり、

企画の運営を手伝っていただいたりと

頼りに出来るとても優しい方」という印象を持っています。

そんな臭い紅茶さんに早速インタビューしていきたいと思います。

Q1.あなたの大喜利歴と今までの実績を教えてください


2018年9月に大喜利プラスを始めたので、大喜利歴は3年半くらいです。
実績は大きい大会だと

ボケクエ4チーム3位(さつじんき)
主戦場対抗大喜利フェス2021準優勝


があります。
他には大喜利W杯やボケクエの予選、当日完結の大会なんかも良い時は良いですね。
段位とかレートは気にしてません。全然維持できないからです。笑

Q2.大喜利を始めたキッカケは?


だいぶ前からお笑い的なものをやってみたくて、当時は笑いが取れるならギャグでもトークでも何でもやりたいという貪欲な気持ちがあったのですが、その中で最も手短な手段が大喜利でした。

初めは友達と酒を飲みながら適当にボケる程度でしたが、次第に僕だけが大喜利にハマってしまい、ある日【大喜利 サイト】で検索したところ大喜利プラスに辿り着きました。プラスを始めた頃や長考に手を出した頃は本当に楽しくて、徐々に大喜利中心の生活へ変わっていきました。

Q3.大喜利の回答を考える時に意識してること


理論というよりは感覚タイプなので、正直あまり難しいことは考えていません。すみません。 好きな題材は人間のイヤな心やアホな思考から生まれた変な行動や状況です。なので回答の方向性としては準リアル路線というか、例えば濃い目のシュールやとんでもファンタジーには手を出さず、ギリギリあるある〜ありえないくらいのゾーンを常に狙って出してます。

そういうボケは自分好みなだけでなく、広く受け入れられる点もいいですね。いい歳なのでと言ったら変ですが、いかにもネット大喜利らしいユーモアに寄せるよりも、周りの友達に見せても恥ずかしくないボケを出したい気持ちが少なからずあって。ネット大喜利中毒者と未経験者(のセンスある人)の両方にウケて、且つ中毒者側にしか出せないようなボケが自分の理想です。

Q4.あなたのマイベストボケを教えてください


また、ハイになってましたか…?

主戦場大喜利フェス2021決勝

大会決勝戦は何を出しても最後ですし、お題も特別なことが多いので、なるべく好き放題ボケるようにしています。このボケは先ほどの準リアル路線の成功例というか、「躁状態で、それを歪に自覚している気持ち悪い竜馬」をうまく表現できたように思います。票もいっぱい貰えて、優勝には僅かに届きませんでしたが、満足でした。

Q5.あなたが好きなボケを教えてください


よう馬鹿ども、やっぱ母の日は電話でありがとうだよな

(パッショな坊さん)

大喜利リレー2020 第3走者

単純にめっちゃ面白いです。そんなん言うわけないけど言うとしたらこういう言い方だ。大好きなボケです。

【お題】間違ってアメリカ版の世界に紛れ込んでしまったと気づいた理由

「あんなケツ振って歩くかね」と呆れながらも、自分のペプシは全部こぼれてた

(頭金谷さん)

一夜の辻喜利トーナメント

「太りすぎた外国人の腰幅ハンパない」っていうニッチなあるあるからの発展が最高です。表現がとても上手くて、この不思議な状況がすんなり伝わるのも凄いと思います。それも長考でなく辻喜利で…。

【読まずに飛ばしても大丈夫です!文字の塊だと思ってください!】

ルイス武蔵 35歳 170cm 65kg
大手貿易会社の子会社で働いている。
アメリカ人の父親と日本人の母親の間に生まれた日米ハーフである。

父親はAdam Lewis 69歳 182cm 85kg
白人系アメリカ人で穀物の貿易の会社に重役として勤めている。高校大学時代はアメリカンフットボールをしていてポジションはランニングバックだった。
大学卒業後穀物の貿易会社に勤め、30歳の時会社のパーティーで山下果穂と出会う。

母親はルイス果穂 59歳 148cm 45kg
20歳の時カリフォルニアに語学留学していてAdamと出会った。
22歳で結婚し24歳で武蔵を出産。

 武蔵は日本で生まれた。サンフランシスコ国際空港から成田空港へ向かう国際便の中で果穂が産気づき、成田空港のターミナルで出産した。男らしい日本男児になってほしいというAdamの願いを込めて武蔵と名付けられた。

 武蔵は大きな病気やケガなどなくすくすくと幼少期を過ごした。小学生時代、早熟だった武蔵はクラスの中心的メンバーだった。武蔵は地元の少年野球チームに所属していた。武蔵はそこでも中心的メンバーでかつ優秀な選手であり、監督からの信頼も厚かったためチームのキャプテンを務めていた。武蔵はコーチの言うことをしっかり守る優等生で、練習では精一杯声を出し、毎日の家での素振りも欠かさなかった。キャプテンとしての責任感も強く、練習中の私語やサボりに対して厳しく注意し、ユニフォームのズボンの裾をきちんと折り上げないチームメイトと口論になって激昂したこともあった。武蔵はチームのきまりをとても重要なこととして丁寧に守っていたが、練習が終わったあとすぐに着替えなければいけないというルールにだけは抵抗があった。練習後の着替えは更衣室で行うことになっていて、チームメイト全員が同じ場所で一斉に着替えることになるのだが、武蔵は人前で着替えるのは嫌だと感じていた。自分の裸がチームメイトに見られる状況に対して理由のない強い抵抗感を持っていた。武蔵は着替えのルールを破ることこそなかったが、他のチームメイト全員が着替え終わって出ていくまで着替えなかったり、やむを得ない時はできるだけ隅の目立たないところでこそこそと着替えるようにしていた。
 順風満帆に見えた武蔵の人生だったが、中学進学前後で問題が生じた。二次性徴である。ハーフではっきりした顔立ちの武蔵は比較的周囲にチヤホヤされながら日々を過ごしていた。しかし二次性徴を迎えて武蔵の体が変化していくと、外見の変化とともに周囲の評価も変化することとなった。武蔵の二次性徴は一般的な日本人男子のそれとほとんど同じであったが、異なる点が2つあった。1つはその変化が大げさだったことである。恵まれた体格をした父親譲りの遺伝子によって、美少年とまではいかなくてもそれなりに整っていた武蔵の顔の額と顎は上下に伸び、頬は骨ばった。父親譲りの骨格の上に母親譲りのぺちゃっとした鼻が乗り、白人にしてはパッとしない、アジア人にしてはゴツゴツした、中途半端な顔面が完成した。二次性徴の2つ目の変わった点は、身長がそこまで伸びず、しかし頭は肥大化したことである。体格に恵まれた父親と同じ大きさの顔が日本人の平均的な体に乗っかった、アンバランスな中学生が出来上がってしまったのだ。体の変化によって他人からの評価が大きく変化したことは多感な時期の武蔵を傷つけたし、自分の体が歪に変化してしまったということ自体が武蔵を大いに傷つけた。武蔵の体に対するコンプレックスはその後も解決せず、特に頭の前後が長いので帽子が被れないことを一番嫌がっていて、帽子やヘルメットを被らなければいけない場は極力避けていた。
 キリスト教系の中高一貫校に進学し、知人のいない環境に放り込まれた武蔵は友人作りのスタートダッシュに乗り遅れ、いつも座ってるヤツとして認識されるようになった。もともと早熟を理由に勉学やスポーツに秀でていた武蔵だったが、周りが成長するにつれて今まで得意だった色々なことで追いつかれ追い越され、小学校までの自信を無くして内向的で覇気のない人間になった。とはいえもともと真面目だった武蔵は大きく落ちこぼれることはなく、中の上程度の成績を保ち、指定校推薦でそれなりの大学に進学した。
 アメリカのスクールカーストにおいて最上位のジョック、その末端だったAdamは武蔵に「男は男らしくあってこそ、盛り上がった筋肉、日焼けした肌、細かいことを気にしない余裕、それが男だ。」というように男の何たるかを説いて育てた。仕事がちで家を空ける期間が長かったものの、休日は武蔵をキャンプに連れて行ったり、親子で市民マラソンに参加したり、AdamがAdamの父親にされてきたのと同じような方法で武蔵と接していた。武蔵は父親と行動することを楽しんではおらずむしろ億劫だと感じていたが、母親がそうしていたのを見て自然と身に着けたのかそれともそのように教育を受けたのか、Adamと接する時の武蔵は面倒だという感情は顔に出さず媚びたような笑みを浮かべ、父の言うことを素直に聞き入れていた。
 大学入学後、誰かと遊んでいる様子もなく淡々と通学し夕方には帰宅する生活を続ける武蔵を見た両親は不思議がり「そんなことしてると結婚できないぞ」と武蔵を楽観的にからかったが、2年経つころには不思議が不安に変わり、武蔵に対して交際相手を見つけるよう何度も要求した。「女性を落としたかったら自信をもって押すことだ。女性は心の底で男に襲われたいと思っている。そのサインを見逃さず押して押して押せば女は落とせる。」「俺はそうやって何度も成功した、頼むからお前はホモ野郎にならないでくれよ。」Adamは武蔵にこう語った。そのアドバイスを一応聞き入れた武蔵は形の上では父親の言うとおりにしてみるものの、襲われたいサインを見逃さないどころかそんなものは一度も見えたことがないし、とりあえず距離を詰めようとしても簡単に拒否されてしまう。タイミングやら何やらが偶然うまくいったとしても武蔵の自信の無さは簡単に見透かされてしまい、先に進むことはなかった。相手が嫌がることを分かった上で何人にもアタックすることは武蔵にはできず、父親のアドバイスが実を結ぶことはなかった。  
 「お父さんと似てるから大丈夫よ」「武蔵は30超えたらモテるタイプよね」果穂は武蔵をこう励ましていた。武蔵は自分と父親が遺伝的に近くても異性からの人気という尺度ではまるで違う人間だと理解していたし、母親の気楽な話しぶりは何も考えていない証拠だと知っていたため、これらの励ましをまともに受け止めることはなかった。武蔵にとっての母親は愛すべき存在であったし、家事に育児に様々な家庭内の仕事を背負って武蔵を育て上げてくれた感謝すべき存在でもあったが、何らかの問題に直面した時に母親が頼りにならないことはわかっていた。ルイス家では父が全てを決定し、母はニコニコそれに従うだけだったからだ。武蔵は結婚しなければいけないとは思っていたが、そもそも結婚したら何がどう良いのかはわかっていなかった。結婚はすることになっているからする、両親は息子に結婚を望んでいる、そういうことだけがモチベーションだった。
 大学卒業後は商社に入社した武蔵であったが、武蔵は会社の気風に適応することが全くできなかった。武蔵は飲み会がわからなかった。誰かと誰かが話をしているのを聞いたり自分が話しかけられた時に返答したりはできるのだが、適切なタイミングで自分から話しかけられなかったため、黙って座っているだけのことが多かった。社内の誰と誰が関係を持っているかが話題になったり、セクハラ行為が行われたり、そういう場面に直面した武蔵はその場にいることが耐え難くなり、尿意を装ってトイレへと逃げていた。男女関係や性的な話題で場が盛り上がって武蔵自身にそういう話題が振られた場合、武蔵は自分がどうすればいいのかわからずに下を向いて黙り込んでしまっていた。武蔵は上司や同僚につまんないヤツと認識されていて、仕事中や休憩中に必要以上のことを喋ったり雑談に参加したりすることはほとんどなかったが、ある一人の事務の女性とは職務上会話する機会が多く、休憩時間に他愛もない話をすることもあった。その女性は地味な見た目で落ち着いた雰囲気を纏っていたため、居心地の悪い職場の中で武蔵は多少の親近感を抱いていた。ある日の飲み会で、武蔵は酔った同僚にとある動画を見せられた。それは武蔵が参加していなかった飲み会の様子を録画したもので、武蔵の同僚が酔った誰かとキスをしている動画だった。武蔵はその動画を見ていられなくて目を逸らしたが、画面が視野から消える直前、同僚とキスをしているのが普段親しくしているあの事務の女性だと気づくと、今までに経験したことのない嫌悪感が体中を走り回ったあと喉元へ到達し、武蔵は急いでトイレに逃げ込んで嘔吐した。翌日から武蔵は事務の女性の顔をまともに見ることができず、自分から話しかけることもできず、話しかけられても返事ができなくなった。職務上必要なコミュニケーションも取れなくなってしまい、武蔵の仕事にミスや問題点が多く見つかるようになった。上司は状況改善のためにどうして仕事の質が下がったのか武蔵に尋ねたが、武蔵はしどろもどろに謝ることしかできず、やがて職場の風当たりはきつくなり、武蔵自身も仕事を続けられなくなってしまって、入社後1年で辞職した。
 商社を退職後、半年間の無職期間を経て、コネを利用する形で父親が重役を務める貿易会社の子会社に入社した。この会社の気風は武蔵にとって居心地の悪いものではなかった。前の会社のように苦手な話題に強制的に晒されることもなく、仕事のための必要最低限のコミュニケーションだけで職場での生活が問題なく成立した。武蔵は仕事ができないと言われるほど無能ではなかったがパッと目を引くほど有能ではなく、出世コースを早いうちに外れ、そこそこのポジションで地味な仕事をこなし続けた。職場以外での人付き合いは少なかったが、会社内でキャンプやスキー旅行が企画されることがあり、武蔵も声をかけられた時は参加していた。同僚から合コンや街コンに誘われることもあったが、武蔵はそのような誘いには乗らずに必ず断っていた。見ず知らずの女性と会話するなんてうまく行く気がしなかったし、出会いを積極的に求める男女が集まって笑顔でやりとりしたり盛り上がったりする様子を想像すると陰鬱な気分になった。商社を辞めて無職になっていた期間に両親との仲が悪化して会話が少なくなっていたからか、折に触れて釘を刺すかのように交際相手の有無を尋ねられ小言を言われることはあっても、以前のように口うるさく言われることはなくなっていた。
 武蔵は毎朝早いうちに会社に向かい、オフィスの電気を付け、窓を開けて換気し、プリンターの紙をチェックし、観葉植物に水をやり、窓を閉め、給湯器の水を替え、給湯器の電源を入れ、ホワイトボードを丁寧に拭き、ペンのインクをチェックし、ちらほら出社してきた上司や同僚に挨拶して、自分の仕事にとりかかった。仕事を終えると、ファイルを整理して、机の上を拭き、机の周りをほうきで掃き、シュレッダーの中身をゴミ箱に捨て、ゴミ箱からゴミ袋を外してゴミ置き場へ運び、もし袋の中に分別の間違ったものが捨てられているのを見つけたらそれを取り除いて正しいゴミ袋に捨て、新しいゴミ袋をゴミ箱にセットし、帰宅した。武蔵はこれを繰り返し、大きなイベントを迎えることなく淡々と順調に歳を重ね、やがて父親が結婚した年齢を超えた。両親は武蔵に何かを期待するのを諦め、結婚を催促したり生活に口を出したりしなくなった。
 Adamは武蔵が幼いころから家の中で女々しい遊びをすることを良しとしなかったため、ゲームやおもちゃ、勉強にならない娯楽のためだけの本を与えることはなく、誕生日やクリスマスのプレゼントはもっぱらスポーツ用品やキャンプ用品だった。武蔵も父親にぬいぐるみやおもちゃやゲームをねだるという年相応の子供らしいことを何度かしたが、Adamはそれを突っぱねるのみであった。年齢が上がってくるにつれて武蔵はそのような子供っぽい要求を恥ずかしいと思うようになり、お小遣いをもらえるようになってからも食べ物や流行りのCD、映画などに使い、自分のための娯楽品を積極的に求めることは自然としなかった。
 1ヶ月前、仕事の一環で海外の通販サイトを見ていた武蔵は偶然ドイツの手作りぬいぐるみメーカーのホームページを訪れた。トップページに表示されたもこもこしたクマや眠っているヒツジのぬいぐるみに妙に惹きつけられた武蔵は商品一覧のページに移動して、ゾウやらヤギやらネコやら他の動物たちのぬいぐるみを色々な角度から撮った写真を一枚一枚チェックした。どれくらいの時間そうしていたか、武蔵は「大の大人がぬいぐるみを見ているなんて恥ずかしい」と我に返り、本来するべき仕事に戻った。ぬいぐるみメーカーの名前は忘れてしまい、どこからアクセスしたかもわからなくなった。武蔵は自分がぬいぐるみの写真を見ていたことをその日の夜には忘れた。
 武蔵が勤める会社は2ヶ月後に組織の再編成を控えている。社の内情は知っていて最低限の仕事はできるものの子供がいないどころか結婚すらしていない武蔵は人事に使いやすいコマだと睨まれていて、組織再編に伴って地方に出向になると決定している。生まれて初めての一人暮らしの準備をしている武蔵が購入する家具を検討していた時、おすすめ欄にクマが表示された。そのクマのぬいぐるみは仕事中に見たドイツのメーカーのもので、武蔵は自分がぬいぐるみメーカーのホームページを仕事中に見ていたことを思い出し、今度は自宅のパソコンからもう一度あのページを訪れ、やはりこのぬいぐるみには自分を惹きつける何かがある、自分はこのぬいぐるみたちに惹きつけられている、そうはっきりと自覚した。ホームページをブックマークすることも忘れなかった。
 それ以来、仕事を終えて帰宅した武蔵は、新生活の調査や準備をし、なんとなくぬいぐるみを調べたり、YouTubeで手芸の動画を眺めたりするようになった。今まで目的もなく両親の目を気にして過ごしていた時間が出向後はまるっきり暇な時間になるはずで、それなら趣味の1つや2つ始めるのが合理的だと考えていた武蔵は、ぬいぐるみを自分で作ることをぼんやりと考え始めている。武蔵には裁縫の経験は一切ないが、新しい土地で新しい生活が始まる、新しいことを始めてみたい、わからないことがあったら検索すればいい、もしできなかったらやめればいい、そうやって想像を適当に膨らませるだけで、今までの武蔵の人生に登場しなかった、でも多分必要だった、なんとも形容しがたい温かい感覚が首筋のあたりにじんわりと広がるのだった。しかし、一度その楽しい想像から現実に戻ってくると、男がそんな女の子みたいなことをしたがるなんておかしいしバレたら恥ずかしいという考えが武蔵の脳をよぎり、同僚や両親には絶対に言わないようにしないと、と気を引き締めて画面を閉じ、また気が緩んできたころ同じ画面を開くのだった。

 今日、武蔵は仕事の引継ぎの関係で取引先に出向き、そこで高校時代の同級生に出くわした。元同級生は順調に出世している様子であったが、ネクタイを着けずに仕事をしていたことが武蔵の心に引っかかった。会社に戻った武蔵は「なんで自分はネクタイを締めているのにネクタイを締めていない人より偉くないんだろう」という疑問を抱き、「もしかしたらネクタイをする必要なんてなにもないんじゃないか」という考えに思いあたったものの、「男が仕事するのにネクタイをしないなんてありえないよなあ」と自ら一蹴し、昼休憩が終わるまでボーっとヒツジやクマのことを考えている。

(ハシリドコロさん)

ボケクエ4 予選

まず長すぎますよね。くどい程に細かい設定は緻密に絡み合ってて、お題の画像を限界まで使い切ってるのがすごい。長文の内容はもちろん面白いし、好き放題やった挙句にしれっと画像に着地してくるあたりも本当笑えます。凄い。

Q6.あなたが好きな大喜利プレイヤーを教えてください


(好きな人)

誰にしようかな。迷います。

ぺるともさん

笑いのフィジカルが圧倒的に強いというか、自分がフルスイングで出すような飛距離を軽く出せるパワーがある人。しかも引き出しがいっぱいあってお題へのコンタクトが凄いと思います。最近あちこちの動画で見かけますが、やっぱり面白いです。コガトナではそんな人とタイマンで当たれて嬉しかったです。負けました。 他にもアオリーカさんや虎猫さん、FANさん冬の鬼さんなどなど、生大喜利の看板選手はお題の深部に辿り着くのが早くて、太刀打ちできません。

【お題】とにかく姿勢の良さが評価される球技『シャキットボール』でありそうなこと

「続いてはシャキットボールです!」のフリが入ると女子アナが背筋をピンとさせて試合のハイライトが流れる

(ぺるともさん)

ネタボケライフ2236回

ぺるともさんの妙にリアルな描写がおもしろいです。モチーフの選択もサイコー。

モモスさん

点数よりも笑いを取りにいくボケに心を掴まれます。ネット大喜利の技法にとらわれず、とにかく目の前の人間を笑わしたろみたいなのがグイグイ伝わってきます。長文ボケの名手の一人でもありますが、モモスさんほど中身の詰まった小説型ボケを出せる人はいないんじゃないでしょうか。

【お題】水族館の魚たちが喋れたら、きっと人間にこんなことを言う

ゲボをくださいな

(モモスさん)

ネタボケライフ2589回

お父さんとお母さんに認められたくて必死やな

(モモスさん)

ネタボケライフ2256回

【お題】被告が裁判長の好きな人だった時の裁判の様子

裁判長が、己の睾丸を木槌で叩き潰し「静粛に」と言った

・法男(のりお)
裁判長
・律子(りつこ)
被告人
・エンジョイエコカード
大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)と大阪シティバスが大阪市交通局時代より継続して発売している、同社の地下鉄・ニュートラム、大阪シティバスが一日乗り放題となり、一部の観光施設の入場料が割り引かれる磁気カード乗車券である。

~~~2016年~~~

 律子はエンジョイエコカードを券売機で見つけた。
「ラッキー」
 律子の目は輝いた。誰かが乗り終わったエンジョイエコカードを『私は使い終わったので良かったら使ってくださいね』という気持ちで券売機に置いていってくれたのだろう。律子はそのエンジョイエコカードで次の駅までいくつもりらしい。
「切符なら買ってあげるから、そんなことをしてはいけないよ、善意で置かれていたものだけど鉄道会社にとっては不利益になるんだから」
 僕は言葉を慎重に選びながら自分の正義を押し付けた。
 律子は、僕の股間をグーでパンチして、
「今日はデートしてくれてありがとう、つまらんかったわ、さいなら」
 とエンジョイエコカードを改札に通し去っていった。

 僕は2枚購入したエンジョイエコカードの1枚を律子に渡した。
「あんたも気ぃ効くとこあるやんか、これはちょっと面白い」
 律子はニヤニヤしながら肩を叩いてくる。先週のデートで失敗した意趣返しを気に入ってくれたようだ。
「今日はせっかくなので色んな駅で降りてみましょう、3駅降りたら元が取れます」
「あんたの口から元が取れるって聞くとは思わんかったわ、金持ってんのになあ!法男、あんたそんな私とエッチしたいんか、必死やな!」
 律子はケタケタ笑いながら僕の股間を膝蹴りしてくる。この笑顔をみるためなら僕はなんだって出来ると思う。

 あべのハルカスの展望台で律子は、
「法男あんた、【大阪 デート】で調べてきたやろ、なんか型に嵌ってるんよな、ドキドキせえへんのよな、私はドキドキしたいんよ、新世界でゲロ吐いてるおっさんにゲロ吐きながら口説かれたときのほうがまだドキドキしたわ、あんたは考えてデートしようとしてるやろ、違うねんな、衝動なんよ、雄と雌がおるときのドキドキがあんたにはあらへん」
 と言い、つまらなそうに煙草に火をつけた。
「ここは禁煙です」
 という言葉を言い終わる前に僕の股間に蹴りが入り、律子は帰ってしまった。

 西九条駅で僕は律子にUSJのフリーパス券を渡した。
「今日はホラーナイトがあるんだ、ゾンビが出てくるんだ、ドキドキできると思うよ」
 律子は溜息をつき、
「そのドキドキって厳重に管理された安全な危険、安全なドキドキやん、死人出たことある?杜撰な管理のたまに死人がでるアトラクションの方がドキドキせえへん?あとな、USJは楽しもうって思って積極的に楽しまないと楽しめない場所なんよ、用意されたドキドキにこっちが積極的に乗っかって楽しまなあかん場所なんよ、それができる才能がある人が楽しい場所やねん、人間ってさ、どんな楽しいこともつまらんと感じることができるし、どんなつまらんこともおもろいと思うことができると思うねんけど、今の私はつまらんと思ってまう側やねん、申し訳ないけど、与えられた楽しさを素直に享受できひんねん、これは私が悪いんよ、法男は何も悪くない、私がつまらんひねくれた人間になってしまったんよ、私もうあかんわ、私が一番つまらん人間や」
 僕は、
「そんなことない、律子さんといたら楽しい、ドキドキする」
 と告げた。
「もう、あれやな、エッチしますか、こんだけ頑張ってくれてるしな、正直エッチしてもええと思てる、なんかあんたとはエッチせんほうがおもろいかなと思てたけどなんか申し訳ないしな、こんだけ好いてくれてるし、一回くらいなら抱かれてもええけどどうする?」
 僕は、
「結婚してください、結婚してから抱きたいです」
とプロポーズした。
 「ごめん、私、前科あるねん、裁判官の家族にはなれません」
「弁護士なら、身内に犯罪者いてもなれるので弁護士になります、結婚してください」
「結婚はせえへん、エッチしよや、ええからちんこ出せや」
「結婚をしてからちんこ出します」
「ほなもうええわ、さいなら」
 最後に律子は僕の股間をむぎゅむぎゅむぎゅーと揉みしだいて去っていった。
 それ以来会う事はなかった。

~~~2021年~~~

 今日は、通称『カミツキガメの律子』が被告人の裁判である。
 律子は谷町六丁目駅でスリを繰り返し、狙った財布を絶対に離さないことから『カミツキガメの律子』と呼ばれていた。
 裁判長である法男は、己の睾丸を木槌で叩き潰し「静粛に」と言った。
 誰も騒いでいなかった。法男は己の内側で騒ぐものを黙らせたかったのだろうか。

(モモスさん)

主戦場対抗大喜利フェス2021

インパクトが強いので、初見で4点を入れそびれることがあります。

butterさん

スタイリッシュな大喜利をする人。サラッと出したようでパンチのある短いボケがかっこいいです。大げさだったりバタバタした感じが一切なくて、下位に沈んだ時でもスタイルがブレないので滑った感がしないんですよね。四球は出しても打たれはしないみたいな。中堅以上の大喜利プレーヤーにはbutterさんのファンが多いんじゃないかと思います。

でかい蜂は気にせず・・・

(butterさん )

ボケクエスト4

これ一人だけ違うテイストで圧勝してて最高でした。かっこよかった。

(注目しているプレイヤー)

以前ほど大喜利に時間をかけられず、若手プレイヤーのこともほとんど存じ上げず、申し訳ないです。代わりにと言ってはなんですが、もっと注目してほしい人を挙げさせてください。もう十分にされてるとは思うんですが、もっとしてください。

純情米さん

ネタツイ同様、大喜利の回答もかなり独特で、なぜ面白いのかを説明するのが一番難しい人。大喜利のセオリーに掠りもせず、何でそれが面白いと思った?みたいなボケが実際面白いので不思議です。個性の強さゆえに投票中は点を入れず見逃してしまうことも多いです。後からじわじわハマる。

宝石みたいな瞳ですね、強く抱きしめてキスしたいよ・・・

純情米さん)

主戦場対抗大喜利フェス2021

一人だけ温度感が変なんですよね。めっちゃ面白いのに、僕は鈍感なので投票できてません。

ハイドラさん

ボケる時もボケてない時もふざけてて好きです。普通に強いはずの人なんですけど、実力が得票に向かう確率が低いというか。前述のモモスさんやハシリドコロさんもそうなんですけど、ネット大喜利の競技性の部分からはみ出してる人って大好きです。

これは偽物のQPさんと本物のQPさんが連着している画像です。アホ過ぎて、ネット大喜利の結果画面では過去一番面白いと思う。モノマネされてる新人QPさん自身もネット大喜利の競技性からはみ出してて大好きです。

Q7.今後の大喜利の目標はありますか?


何とか大喜利を続けること。そしてやるからにはウケたいです。欲を言えば好き放題やった上でウケたいんですが、そういうやり方で注目してもらうにはある程度の成績も必要ですし、そもそも大喜利は回答を見る人がいてこそ成立するので、結局は大きな大会でウケ続けるのが変わらない目標かなと思ってます。

また、野望になりますが、ネット大喜利の経験を踏まえて他の笑いにも挑戦したいとは薄っすら思っています。多分無理です。YouTubeとか漫才とかチャレンジしている人、めちゃくちゃ素敵だと思います。

Q8.最後に何か一言お願いします!


当たり前のように色んな大会の話をしてきましたが、こうして大喜利に夢中になれる場を作り日々守ってくださるサイト運営の方々には感謝してもしきれません。大きな焚火を囲んで感謝祭をしたいです。いつもありがとうございます。笑モさんの大喜利パフェにも大変お世話になりました。本当にお疲れ様でした。


臭い紅茶さん、お忙しい中インタビューを引き受けてくださりありがとうございました!

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