2020年9月にもたおの大喜利を始めて、そこからしばらく短考だけをやっていたのですが、2021年1月に林原よしきさんに色んなサイトを教えてもらい、そこから長考も始めました。なので歴は2年ちょっとですね。

主な実績は、

大喜利3Pラストトーナメントベスト8
第3回辻喜利トーナメント準優勝
1分大喜利トーナメント優勝
余馬100人組手66勝
第4回辻喜利トーナメントベスト8
です。

幼い頃からずっと面白いことは好きだったのですが、高校生の時にリアルで面白い人がいなくて楽しくなかったのでネタツイ界隈に入ってみました。そこでネタツイッタラーが配信をしながらもたおの大喜利をやるのが流行っていたので参加してみたのが最初です。始めた時期が近いのは、564、藤光、時間、電球金魚さんなどです。

ボケの出し方のフレームとしては、まずお題を見て直感で思いつくボケを限界まで出して、その中で一番良いと思ったボケの面白い理由を言語化し、今度はその方向性で縛ってまた数を出していくというのをやっています。大喜利は回数を重ねたら直感でこのお題にはこの方向性が面白いっていうのが浮かんでボケが出てくるようになると思うのですが、それでも出なさそうな時はメモってる面白ワードとお題を見比べて間に面白いことが落ちてないか探したりします。ボケ選びに関しては、とにかく場数をこなして何がウケないか(ウケるか)の感覚を叩き込むのと、妥協しないことを意識したら失敗は減ると思っています。

内容に関しては、平凡なことを言わないことと、お題をリアルに捉えること、そしてお題に沿うことです。

まず「平凡なことを言わない」ですが、ネット大喜利において一番点が入らないかつ初心者がやってしまうのが、ベタな回答だと思います。どこまでがベタなのかの線引きは大喜利天文台ぐらいのサイトをやり続けたら自然と分かるようになると思います。なので、出来上がった回答がただのあるあるで終わっていたりした場合、そこをスタート地点にしてあまり見ないワードを乗せたり、別の言い回しにするなどして面白くなるようにしています。

次に「お題をリアルに捉える」ですが、その理由を簡単に説明すると、人間の間でコミカルにされた要素は寒くなることが多いから、となります。以前とけつだいこんさんにbigiri版大喜利登竜門の審査員に誘っていただいた際に「老人ホームから追い出されたおばあさんの特徴」というお題で二つほどの回答に「おばあさんが分かりやすく有り得ない行動に出る、というユーモアは回答者の顔が浮かんで寒いです」とコメントさせていただいたのですが、これが顕著な例かと思います。なので基本的には、例えばこんな学校は嫌だというお題が出た時にアニメなどの”要素がデフォルメされた学校”ではなく”実際に自分の過ごした学校”を想像するし、人間も大喜利の中の(ための)登場人物ではなく本当に動機のある、実際にいたら面白い人を思い浮かべます。

次にお題に沿うこと、これが面白い回答をする上で一番大切だと思います。比較的大喜利歴の浅い人で、お題に沿わず、ただ重々しいワードで遠いことを言ったり余白を残したネット大喜利っぽいことを言えばウケると勘違いされてる方が見受けられるのですが、大喜利は面白さを競う場です。お化けぬこさんも言っていましたが、僕は自分で見て笑えるボケを出していますし、お題そのものが持っている面白さを意識して大喜利をしています。

ただ勘違いしてほしくないのが、お題に沿うというのはお題に近い回答をするという意味ではありません。それがそのお題だからこそ面白い回答であれば、距離感が遠くても、もっと言うとお題のちょうど逆のことを言っていてもある意味でお題に沿っていると僕は考えています。

先ほどの「お題をリアルに捉える」に関連して、以前神聖な大木さんにこの動画について教えてもらいました。ネット大喜利からはかなりフィールドが離れるようですが、とても話題が似ていて補足になると思うのでこれについても語らせてもらいます。文化としての大喜利がこの世に存在しないものとして大喜利に取り組むというルールに千原ジュニアとかもめんたるう大がコラボ企画の一環で取り組んでいるのですが、(面白さは一旦置いておいて、)う大はここで僕がさっき言ったことができていて、千原ジュニアはできていませんでした。出されたお題は「水たまりにうつっていたら一番怖いものは？」で、う大の回答は「子供の頃通ってた文房具屋さん」、ジュニアは「Rがひっくり返ってないTOYSRUS」。本人も言っていますが、ジュニアはう大の設定したルールが理解できていません。 ジュニアの回答に対してう大は「まだ知性がある」と批判していたのですが、これを噛み砕くと「既にあるお笑いのテクニックを知ってしまっている人の回答だ」になると思います。その通りだと思うし、やっぱり基本的にそういうクイズ的な意味での”これにはこう出す”みたいなものを取っ払った、人間の純粋で感覚的な部分から出てきた回答の方が面白いと僕は思います。矛盾するようですがお題に沿うことがそれより絶対的に大切なことで、明確にボケている方が面白い場合があるのも事実ですし、強度の高いバカ回答等はそれを上回ってくることもあります。ただ、今回のように回答で返すべき形容詞のあるお題では、それは悪手です。つまり、う大の回答に対してジュニアの回答は、”一番怖い”に誠実ではありません。理由としては、水たまりを文字を反転させる舞台装置として使っているところがすごく人為的で、人為的であることは怖いことと真反対にあるからです。怖さに向き合う前に舞台装置を見つけてそれを使うフォーマットにハマらない「一番」の部分を抜いているのは、この企画から浮き彫りになっている分だけ手前でやっていると感じます。

また動画内でう大の回答に対してジュニアは「それがお芝居の一節なら素晴らしいけど、大喜利は回答一つで完結していないといけない」と批判していましたが、ネット大喜利にはこれに反していて面白い回答がたくさんあります。投票者に前後を想像させる回答です。ネット大喜利の中にも完結(正解感)を求める人は結構いる印象ですが、僕は完結していなくてしている回答より面白いのならそれでいいと考えています。単純に面白さの天井を上げていく時に、それが必要だとも感じています。

意識していることからは一旦話が逸れますが、もう少し芸人の大喜利の話をさせてもらいます。

元々はサンミュージックの大喜利大会でう大も文章の上だけで返す、所謂芸人の大喜利的な大喜利をしていたのですが、そこから大喜利に興味を持ってテレビ朝日の毎日大喜利というYouTube番組で「この人前世犬だな」に「頬を下にして食べてた」と大喜利的じゃない大喜利をしていて、動画で話しているリミッターの解除のようなことが成功していると思いました。IPPONグランプリなどの芸人の大喜利はこのリミッターから来る形式美のせいで進化が止まっている節があると思います。ネタが本業で大喜利はサブの演芸としてやるからというのも芸人の中で大喜利の研究が進まない一因かもしれません。逆にネット大喜利がここまで尖ったのは、長考というシステムも勿論ですが、投票時の匿名性で誰が出してるかの面白さを一切消して回答をボケとツッコミのボケじゃなくしたことも大きいのではないでしょうか。

あまり言ってる人を見たことがないので断言しておきますが、ネット大喜利(アマチュア大喜利)は、芸人の大喜利よりも格段にレベルが高いです。

ただ最後にこれだけ言っておきたいのですが、松本人志は1997年に一人ごっつで「男がエクスタシーに達した時の感じを絵にして女性にうまく伝えて下さい」というお題に、こんな極めて感覚的な絵回答をしていたらしいです。

ネット大喜利の”キモい奴の画像にキモいことを言わせるボケ”は結局一番笑ってしまったりするのですが、これはその中でも二つが上手くハマってて何回見ても笑えます。個人的に大喜利たろうで最初にクリティカルヒットしたのがこのボケで横書きペンさんの名前はずっと頭にあったので、ボケクエで組めて嬉しい！

さっきのと少し似ているんですが、これは文字が面白いボケの頂点だと思います。Mr.3の容貌をただのキチガイとして捉えるの面白い。最後のすを片仮名にするみたいなキチガイ感の出し方大好きです。

書き方の面白さ繋がりですが、これも初めて見たときめちゃくちゃ笑いながらとんでもないなと思いました。文節に空白をつけることでばあさんの脳みその容量を超える何かが降ってきている感じを表現するってすごく感覚的なボケだと思うんですけど、1位を取ってるので凄いです。

横断歩道に対して引くっていう動詞を対応させるとか、スランプの人が自分の状態を把握できなくなって何かにチャレンジしたがるとかの所謂”ないあるある”をやっている回答の中で、トップクラスにお題に刺さってるボケだと思います。「お題の中の特殊な状況で絶対あるなという説得力をまとった発見を見出す」というのがネット大喜利特有かつ割と主流になっているやり方だと思うのですが、その中でもかなり笑ったので選ばせてもらいました。

クソレベルの低い人間を書いたボケはかなり笑ってしまいます。その中でもこれは、そのレベルの低い瞬間をカットされたことや「ついに」という仰々しい表現も上乗せされて、めちゃくちゃ面白いです。

笑笑笑笑笑

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カネコさんとtngonさんと握る鬼さんが好きです。

カネコさんのボケには、理由は説明できないけどそれでいてめちゃくちゃ強烈な現実感があって面白いです。みんなが探してるのと逆の方向にあるようなあるあるを持ってこれる人なのかもしれません。内容の密度に対して文章がシンプルに整っているためにスッと頭に入ってきて、意味を咀嚼することに時間を使わずに笑えます。

カネコさんがフィクションの変なあるあるなら、tngonさんは現実の変なあるあるだと思います。ネット大喜利の回答のリアルさ(解像度)は何層かに分けられると思うのですが、tngonさんの回答には、普通取り沙汰されないような”BGMのない生活のぬるい一瞬”みたいな雰囲気をたびたび感じて、これが最深部なのではないかと思います。気持ち悪い言葉を使わずに気持ち悪くするのも面白いです。

来ちゃいけないところに来ちゃった感がひしひし伝わってくる。握る鬼さんのボケはどれもお題に対する笑いどころがオリジナルで、めちゃくちゃ笑うしワクワクさせられます。結局笑いって意外性が大切で、見たことのあるパターンのボケは大喜利を続けていると笑わなくなったりするので、握る鬼さんのスタイルは理想的で憧れます。本当に色んなことをやってるけど、僕はグロいやつが特に好きです。

注目しているのは、裏パフェに誘ったmoemoeと一二三二一です。ネット大喜利は、初心者層は特に基本的に既存の面白さで回っている中で、彼らは自分の中に極めて純粋でオリジナルなツボを持っていて、それを深めていっている印象です。

シュールボケの頂点ではないでしょうか。何が面白いのか全然説明できないけどなんか笑っちゃうっていう感じです。これはあるあるでもないので、ネット大喜利の発見した笑いだなと思います。お題に含まれるワードを使うことを恐れていないことからも、ネット大喜利をしようではなく面白いことを言おうという意識で回答を作っていることが分かります。

この回答で久しぶりに大喜利で爆笑して、爽快感さえありました。大喜利やっててこの回答出そうと思えないし、主婦とかの全く前知識のない人にやれって言っても逆に出さない回答だと思います。何が面白いかということに対して実験的な姿勢を持っている彼だからこそ、アホ山くんがどこで発見されたら面白いかにゼロ個目の街を持ってこれたんだと思います。

他には良さげさんやキタミさん、馬鹿前さん、お化けぬこさん、と鞠ついでさん、pokopokoさんなども好きで、ネオさん、たこき区さん、かるかん圭さん、ヤーさん、かずきさん、セントラルゲートさんなども注目しています。

moemoeと一二三二一は僕きっかけで大喜利を始めたのですが、彼ら以外にももっと天才を発掘したいです。
あと、僕の大喜利力を広く証明したいのですが、ネット大喜利に関しては辻喜利などで証明できそうなので、今度はEOTで優勝して大喜る人たちでバズりたいです。

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