【第48弾】あの大喜利プレイヤーに直撃インタビューしてみた

インタビュー

どうも笑うモールス信号です。

大喜利プレイヤーにインタビューをする企画の第48弾です。

今回インタビューさせていただいたのは、タイマン最強かつ大喜利界屈指の頭脳の持ち主であるこの方です。

 


ハシリドコロさん

ボケクエでの投票者選択スプレッドシートでお世話になった方も多いはず。

開発や集計の能力に優れているハシリドコロさん。

プレイヤー面では大喜利名人維新で行われている辻喜利で無類の強さを誇り、

辻喜利トーナメントの優勝者で行われるTGRで現在3度の防衛に成功しています。

今回はその論理的思考で大喜利をどのようにひも解いているか教えてくださいました。

インタビュー是非ご覧ください!

Q1.あなたの大喜利歴と今までの実績を教えてください


2017年8月に大喜利プラスを始めたのが最初で、今5年半ぐらいです。

実績は
・辻喜利-弐- 23勝5敗 連続12人斬り
・一夜の辻喜利トーナメント優勝
・初代TGR王者 3回防衛
・大喜利大使館 準決勝進出

ぐらいでしょうか。5年間の間に小さい企画とかにも結構参加しているはずなんですが、そういうのでもあまり勝ち切った記憶はないです

生大喜利だと
・戦-大喜利団体対抗戦2019- 優勝
・喜利ベロス1 優勝
・2019年大喜利夏季杯 優勝

って感じです

Q2.大喜利を始めたキッカケは?


大学3年生の夏休みに「日本語ではそれなりに面白い会話ができるし何が面白いとかある程度わかるけど、英語で話すとなると一気に面白いことが言えなくなるし感覚もなくなるから、英語の面白ワードとかフレーズを吸収するために英語圏の大喜利サイトに参加してみよう」と思い立ったのがきっかけです。結果として英語圏には明確な大喜利の文化がなく、日本語の大喜利サイトとして検索に引っ掛かった大喜利プラスを始めることになりました(キムギニョンのツイートかなにかを見て大喜利サイトというものの存在自体は事前に知っていたような気がします)。

大喜利プラスは初週からかなりハマって4週間ぐらい没頭し(第1回芸人イベントも会場まで行きました)、大学の秋学期が再開するとともに一旦あまりやらなくなりました。翌年の4月に虎猫さんが主催していた生大喜利の「始めの一歩」という会に参加したことをきっかけに、大喜利の人たちとの人間関係も発生し、本格的にかつ継続的に大喜利に取り組んでいくことになります。

大喜利プラス以前での大喜利みたいな活動を考えると、友達の質問箱的なものに長短問わず怪文書のようなものをたくさん送っていたのが匿名インターネットユーモアの原点だったかもしれないです。

Q3.大喜利の回答を考える時に意識してること


常に一つの立場で回答しているわけではなくて、気分や状況によって考えてることもやってることも全然違ってきます。ただベースみたいなものはあるのでその説明をします。

全てがこれで綺麗に説明できるわけではないですが、面白さの元になるものとしては、「繋げる」か「裏切る」かの2つを考えています。
・「繋げる」は「まだ繋がっていないところを繋げる
・「裏切る」は「もう繋がっているものを裏切る
という意味です。別にそんな大した話じゃないのですが、このままだと抽象的過ぎて意味がないのでもう少し具体的に説明します。

例えば「あるある」は「繋げる」おもしろに分類されます。「今まで言語化せず意識していなかった=繋がっていないところ」を「言語化して明確に示す=繋げる」と面白い、といった感じです。もともと意識していた=繋がっていたことをわざわざ言われても面白くないし、言語化されても全く共感できない=繋がらない場合も面白くないです。

「逆にする」のは「裏切る」おもしろに分類されます。「子供は無垢という前提がある=子供と無垢が繋がっている」状態で、「子供が大人びたことを言う=子供と無垢の繋がりが裏切られる」と面白い、といった感じです。ただ、「子供が大人びたことを言う」ということ自体が普通になってしまっている=繋がっている場合は、子供が大人びたことを言ってもすでにある繋がりに吸収されてしまうので、裏切りにはならないです。もともと何も繋がっていないようなことに対して裏切ろうとした場合も、面白くならないです。(大喜利をたくさんやるともともと何も繋がっていないようなことは減っていくと思っています。)

「これが来るだろうな」と予想して構えているときはその部分は繋がっているけれど逆に予想していない部分が繋がらなくなる、など、受け取る側の何が繋がっていて繋がっていないか、繋がりやすいか繋がりにくいか、はその人の性質やら経験やら置かれている状況で変化するもので、一定のものではないです。この違いが何を面白いと思うかの人による違いにかなり強く影響していると考えています。

また、繋がっていなかった場所が繋がるのは、「繋がらないと思っていた」が裏切られることになるので、やろうと思えば「裏切る」に含められるとは思いますが、他の「裏切る」とはやっぱりちょっと性質が違うし、別のものとして扱ったほうがやりやすいので分けて考えています。「Aが来るに決まってると思っている」人に対して「Bを出す」のは、「Aが来ると思っている」を裏切ることでもありますし、場合によっては「Bが来ると思っていない=繋がっていない」ところを繋げることにもなると思うので、こういう点からも繋げることと裏切ることの分別は完璧ではないのですが、分けて考えてあまり不都合がないので分けて考えることが多いです。

余談ですが、お笑いの文脈で「緊張と緩和」がお笑いの基本みたいな感じで語られる場面って(テレビで)あるように思いますが、「緊張と緩和」って人の構えを普段と変えさせて裏切りやすく(場合によっては繋がりやすく)しているだけだと思うので、笑いを生み出す一つのやり方としては汎用性があるんだろうけど、全然お笑いの中心原理ではないと思っています(あるあるってどう見ても緊張と緩和に含まれないし)。「繋げる」と「裏切る」もリズムネタとかを説明するときには不格好になっちゃうので全然完璧じゃないんですが、緊張と緩和よりは広く正確にとらえられていると思います。(ここ緊張と緩和についてもうちょっと正確な理解をしていますが、書いたらやたら長くなるので省略します)

大喜利の話題に戻って、自分が回答を考えるときの話をすると、

「繋げる」という点については、「場面に対する深い想像の結果たどり着く、必然性は高いが逆算が簡単ではない回答」や「飛躍の少ない論理展開をいじくっていたら偶然出てきた面白い構造を含む回答」のことを昔からずっと面白いと思っていて、自分の回答でも他の人の回答でも大切にしています。僕はこういうタイプの繋げる回答を自分の中の王道に据えていて、気合を入れて回答を考えるときはとりあえずこれを目標にすることが多いです。

「裏切る」という点で回答を考えるときは、世間感覚に対してというよりは大喜利に対してメタ的な視点に立って裏切ろうとすることが多いです。「今こういう回答が多いからここを変化させる」とか「ここまで読んだらこう来ることを期待するだろうから違うようにする」とか、「今まで見たことある回答はだいたいこうなってたからそうしない」とか、ベースとなるものを設定して、それより一個上の階層に立ってどこかを裏切ろうとして考えています。何をベースとするかが環境や自分の気分によって変化するので、どの階層で裏切るかは場合によって違ってきます。大喜利の経験が増えていくにつれて高い階層で裏切(ったほうが面白いと感じ)ることが増えてきているという自覚はありますが、必ずしも高い階層に立たないと裏切れないわけではなく、その時自分が(周りが)どう構えているか次第です。今まで繋がっていたことのある全部の箇所を繋げるように構えるのは(自分は)無理なので、昔は繋がりや裏切りを感じていなかったことに今は繋がりや裏切りを感じることだってあるし、その逆もあります。ただし、構えられる箇所の総量はちょっとずつ大きくなっていっていて、経験を重ねるとともに新たに繋げるのも裏切るのも昔より難易度が高くなってきているとは思います。

繋げる回答を出すか裏切る回答を出すか、という選択にはお題がどのようなものかも関わってきます。ざっくり言うと「繋げる回答を出す難易度が高い=もともと繋がっていないお題」では繋げる回答を出そうとするし、そうじゃないなら裏切る回答を出そうとする、というのを基本にしていますが、結局は具体的な回答の面白さ次第なので、あくまで基本です。両方を組み合わせることも多々あります。

以上が回答を出すときのかなりベースの部分での姿勢です。別の方向から回答の考え方の話をすると、

・チーム戦ではある程度抽象的なボケ方を何種類も決めて(「嘘がわかりやすすぎる!のやつ」など)、各ボケ方に対して具体的な回答をいくつか出すことがあります。でも実際は設定したボケ方を逸脱したものが一番面白い回答になるパターンがけっこうあります。

・誰かの真似をしようとすることも時々あります。特に、どう答えるか自分の中でしっくりくるものが決まらないときは「○○さんっぽい回答出してみよう」と決めて、どう面白いかとかは考えずとりあえずそれっぽく真似をすることがあります。回答自体が面白いかどうかはともかく、真似をすること自体が面白いので自分ではそれなりに面白くやれます。後述しますが真似をすることも技能であり面白い課題だと思っているので、真似するぞ!と思ったときは真似しています。実際にその回答を出すかどうかはまた別の話になります。

・辻喜利では2人の回答を並べたときにどっちが映えるかの相性みたいなのも考慮したうえで回答を考えていましたが(noteはこちら)
最近は戦う相手が強くて器用なこともあって相性によるボケの判断をあまりやっていなくて、もう感覚が鈍ってきているかもしれないです。

・最近は「一定以上のボリュームがある構造」が面白くて考えがいもあると特に感じているので、圧縮できないボリューム感のあるものを考えようとすることが多いです。これは別に長文回答のことだけを言っているわけではないですが、長文回答をするときも、ボケを羅列していくようなものより、小さな単位に分解できない構造を含むような、長文じゃないとできない長文回答を目指しています。

・長文回答で言うと、今までに見たことのある(出したことのある)ものと同じようなものはあまり出さないつもりで、何らかの新しい部分があるようにしてやっているつもりです。読む側の人にとっては「いつもの長文」って感じで違いとかそんなに感じないかもしれないですが、自分の中ではわりと注意しているポイントです。

・長文に限らず、普通の長さの回答でもやったことないもの、人がやっているのを見たことないものを出そうとしてもがいている時があります。大喜利であまり見たことのない外部の概念を持ち込もうとすることも多いです。ネット大喜利の歴史に対して自分が新しい回答を!というよりは、今の環境の中にないものだったり、自分が出したことのないものだったりと、ある程度の近さの中で新しいものを出そうという気持ちの方が大きいです。自分が出せる回答の範囲を拡張するのが楽しいという要素もあるし、回答に多様性のある環境が好きがちなのでそういう環境にしたいという思いがモチベーションになっているという要素もあります。

といった感じです。

Q4.あなたのマイベストボケを教えてください


【お題】水不足に悩まされる国の水族館の特徴

エイのジップロックが床に置いてある

辻喜利 – 弐 –

繋げる回答を考えようとして、水不足の国の水族館がどうなるかをいろいろ想像した結果、大喜利の回答として十分な強度のある光景に結びついたので、辻喜利の15-60分というタイムスパンの中での「出せた感」がかなりありました

【お題】本能寺の変を実況中継する番組で最も視聴率の高かったシーン

逃げてるように見えて実は逃げてない森蘭丸(森点滅)

こちらからご確認ください→コガトナ2019

変なことしようというのが対戦前から堀手さんとほぼ共有されていた状態での回答で、大喜利という感情に訴えかけるための創作活動を錯視の知識ゲーに持ち込んだ上で、大喜利の回答としてもポップで面白くできたので気に入っています

【お題】弟「だからお兄ちゃん○○○って言ったじゃん!」

弟「だからお兄ちゃんは確かにオナホに顔を描いてから毎日充実してるけど、それは想像が膨らんでるんじゃなくて女性を削ぎ落としてるだけだって言ったじゃん!」

主戦場対抗大喜利フェス2021

「穴埋めお題は穴埋めの部分にどれだけお題からの必然性のない面白をもってこれるかが醍醐味」だと思っているのですが、この回答は「お題からのちょうどいい飛躍」だけではなく「新しい発想」「人間の思考のあるある」「言葉遣いの面白さ」という点でもとてもうまくできていて、出せて満足しています。「女性を人間ではなく性的な動く物体だと思ってしまう」という男子校出身の人に多めなあるあるをベースにしながら、「顔が書かれているオナホ」は人権意識の高さの表れとも低さの表れともとることができるという新しい考えを提示できていて、今見ても余計な箇所がなく綺麗に作られていて面白いです。

長文回答については評価のための感覚が自分の中でどんどんアップデートされていっているので、自分の出したものの中で特にこれが気に入っていると言い切るのは難しいのですが、天文台のペンギンのやつとボケクエ6のコーシーの関数方程式のやつは完成度が結構高めなので今後も気に入ったままだと思います。

Q5.あなたが好きなボケを教えてください(複数可)(理由も教えてください)


過去の特に印象に残っているボケを振り返ったnoteを書いちゃってるので、そこに書いてないものでみんなに見せたいものをちょっとだけ紹介します。noteも見てください。

noteはこちら

【お題】デート中によそ見をしてたら彼女にこう言われた

お前、急にご飯食べて胃がびっくりしたからトイレ行くんじゃねぇの?

(マリワナさん)

ネタボケライフ1820回

「急にご飯食べて胃がびっくりしたからトイレ行く」自体がありそうだけど癖のある文章で、それに「んじゃねえの?」が付け足されて無理やり質問の形になってることのインパクトがまず面白くて、デート中によそ見をしてたら言われることとしてもしっかり面白いです。こういうのはあまり見たことなかったという点も含めて印象に残っています

【お題】「やっぱり本場ブラジルのサンバカーニバルはすごいなあ」と思った理由

少女の尻は前後左右上下に揺れ、そして近づいてよく目を凝らして見ると細かく振動もしていた、その尻の動きによって空間は削り取られ、削り取られた空間を埋めるために空間と空間が縮まるという現象が確認された、これにより私は尻へと吸い寄せられた

「perigoso!!(危ない)」

私はふくよかな尻に弾き飛ばされた。少女の尻とはまた別の尻である。

ふくよかな尻の女が少女を叱っている。

ポルトガル語はあまり得意ではないが訳すとこんなところだろう。

「あんたの尻は人を傷つけるナイフのような尻さ、本当に美しい尻は人を愉快な気持ちにさせる尻だよ、あんたはこいつの顔をズタボロにするところだったんだ、あんたの尻の動きは速いだけ、それじゃまだまだ山車には乗せられないよ」

この叱ってる方の女、よくよく聞いてみるとこの女もこれで練習生だっつーんだからまったく層が厚いよな

(モモスさん)

コガトナ2020

前半ある程度真っ当に展開したところからの後半とオチおもろ。最初の少女の尻が揺れて空間を削り取っているところが「本場ブラジルのサンバカーニバルはすごいなあ」に直結してもいいはずですが、そこがそうなっていないのはあえてのミスリードなのか、最初はそこをオチにするつもりで回答を書いていたが書いているうちにより良い展開が思いついたからなのか、どっちの可能性もあるとは思いますが、こういう余計なことを考えた上でもこの回答の面白さは霞まず、どっちかといえばさらに面白くなると思います。

【お題】穴埋めして会話を成立させてください
僕「相談があるんだけど…」
母「○○○」
僕「○○○」
母「○○○」

僕「相談があるんだけど…」
母「白いおしっこが出たのね、それは精子といって子供の種、我が一族の繁栄、この国の宝、人類が未来へ受継ぐべきバトンとなるもの片割れなのよ。愛する人と出会いなさい、その愛する人が持ってる片割れとあなたの片割れが一つになったとき、あなた達二人は錬金術師となるのです」
僕「白いおしっこは出てないよ、お母さんよく聞いて、僕はね、僕が人類の最終到達地点なんじゃないかと思ってる、人類がバトンを渡してきたのは僕を創り出すためだったんだよ、その証拠に僕には金玉が無く、替わりに幸福の鐘が付いている、この鐘が鳴ったら人類はみんな幸福になって終わりを迎えるんだ、苦しみから解放されるんだ、過去に苦しんで死んだ人達もみんな幸福になるんだ、誰一人余すことなくみんな幸福になるんだ。いつ鳴らせばいいか、それを相談したいんだ。」
母「今すぐお前の鐘を切り落としてやる、幸福になって終わるより、永遠に続く地獄の方がマシよ、人類を舐めるな悪魔め!!」

(モモスさん)

mixiお笑い頭脳バトル

2往復の会話にしては内容が濃いです。文章自体がそこまで長いわけではなく、言いたいことを言い終えたら必要以上に喋らず、言われた相手の発言の内容は完全に了解して、発言権が移るたびに会話が一気に進む感じがかなり面白いです。2人の会話の穴埋めであることによって堀さんの回答に登場する人物の価値観の面白さが2人分同時に見れてお得な感じもする。

【お題】医者が「峠は越えました」の代わりについ言ってしまったセリフ

~ε=ε=ε=>┼○
~ε=ε=ε=ε=>┼○
~ε=ε=ε=ε=ε=>┼○
~ε=ε=ε=ε=>┼○
~ε=ε=ε=>┼○

息子さんは、うわごとで『ビラビラ飛行隊』とつぶやいてチンポ勃ててましたから
お父さん、お母さん「 (>_<)ヽナケルゼェ」

(qpさん)

ネタボケライフ2410回

これ知らない人には全く伝わらないと思うんですけど、 「(>_<)ヽナケルゼェ」を新人QPさんが言うんじゃなくて回答の登場人物が言っていて、しかも2人も言っている、というかなり新しいことが起きていて、これがかなり新しいことだと気づいたとき爆笑しました。
今調べたら「(>_<)ヽナケルゼェ」を回答の登場人物が言っている回答は一応他にもあったけど、2人で言っているのはなさそうでした。

Q6.あなたが好きな大喜利プレイヤー(もしくは最近注目してる大喜利プレイヤー)を教えてください(複数可) (理由も教えてください)


好きな大喜利プレイヤーを選抜する線引きがかなり難しく、2人だけ挙げることにしたら、夏のワルプルギスさんとABC_dayoになりました。

二人とも大喜利プラスをやっていたわりと初期のうちからの知り合いで、今はもう何度もアップデートされているであろう大喜利観の根っこではあの頃の大喜利プラスの面白さや競技性の感覚を共有していること、その上でさらに別のことをやっていること、お題に対する回答のリアリティを気にする能力や想像力が高くてそれがいい感じに回答に含まれること、が共通点かな、と思います。自分がこの二人に投票することも多いように感じています。

夏ワルさんに関しては、僕がネタチルでいろいろやっていたときと同時期に夏ワルさんもネタチルでいろいろやっていたのがかなり楽しい時間でした。夏ワルさんにネタチルで3点貰えたらかなり嬉しかったし、その他の場所でも夏ワルさんからの高点をかなり嬉しいものとして捉えています。

ABC_dayoはこの前TGR王者防衛戦で対戦しました。今まで直接的な関わりは辻喜利での対戦ぐらいしかなかった分、TGRでの対戦もその後の感想戦も、新しくも懐かしい感じで良かったです。

注目している大喜利プレイヤーで言うと、ミモザ名前さんととまりついでさんの二人に強く注目していると思います。
かなりざっくり言えば二人とも幅広いタイプの回答を器用に出す能力があるタイプだと思うんですが、既にわかりやすくやり方としてあるものは割とだいたい何でも高い精度でできるようになってると思うので、じゃあその上でこれからは何をしてどうなっていくの、という未来の部分にとても興味と期待があります。これプレッシャーか?いったいこれからどうなっていくんだろう……

悠祐ゆっけさん・ぺるとも直泰さん・坂本極道の娘はかなり長い間ずっと注目しています。自分はもともと暮らしていた環境が文学とかお笑いっぽい方向にあまり広がっていなかったのですが、この5人は自分が大喜利をしなかったら出会わなかっただろう種類の才能に溢れていて、ことあるごとに凄いねえと思わされているので、大喜利だったりその他のことだったりでこの先どうなっていくのか勝手にかなり期待しています。

注目で言うと、ざっくり言って子供に分類される人たちにも注目しています。馬鹿にしてるみたいに受け取られたら申し訳ないですが、別に馬鹿にしているとかではなく、一般論として子供は自然に成長することがほぼ確定しているので、遠くからワクワクしながら見ています。何か困ったことがあったら力になれるかもしれないので言ってください。全然勉強も教えます。(高校範囲なら数学+英語+理科4科目 かなりいけると思います!)

あとチーム戦や生大喜利をきっかけに仲良く会話するようになった人たちもありがたいことに沢山いて、ただ仲いい人、その人の大喜利が好きな人、大喜利について話せる人、大喜利以外のことについて話せる人、などなど、関わり方は人それぞれですが、そういう人たちには🌷仲良くしてくれてありがとう🌷と思っています。この場で伝えさせてください。🌻仲良くしてくれてありがとう🌻

Q7.今後の大喜利の目標はありますか?


プレイヤーとしては、全員のモノマネができるようになるまでは大喜利でやることがなくなることはない、という風に思っています。

「その人らしさ」みたいな曖昧な感覚をしっかりつかむことは課題としても面白いし、単なる感覚ゲームに収まらず、大喜利全体への理解(文章への理解)の一部を担っていると考えています。頭の中でぼんやりと発見している感覚を理性で再発見して、曖昧さを残さず機械的に真似ができるようになったり、真似し方を人に説明出来たりしたり、なんなら本当に機械で出せるようになったら(大量に学習したから形の雰囲気が同じになるだけではなく、原理を理解した上で出せるようになったら)かなり凄いことだと思います。

こうやって人のやり方を分析したり明示的には分析しなかったりしながら真似する行為はまさに「パクリ」で、これは賛否両論(主に否)ある話だと思うのですが、実際に真似した回答を出すことの是非はとりあえず置いておいて、「真似できるようになる」ということ自体が目標の一つになるという話です。真似には真似で価値を認めた上で、僕はわりと「新しいものを生み出すこと」にかなり重点を置いている方だと思います。

「真似する」ということ1つをとっても「ある一人を真似する」というところから「誰かと誰かを真似して混ぜる」だとか「新しい人をできるだけ早く真似できるようになる方法を作る」だとか、目標をいくらでも発展させるやり方はあるわけで、自分の興味とか気力がなくならない限り、遊べる遊び方はたくさんあると思っています。

現代において未開な学問分野って世の中にあまりなくて、何をするにしても「過去の調査をして勉強して先人が積み上げてきた最高点にたどり着いてからその先に足跡を追加する」というようなやり方になっていると思ってるんですけど、ネット大喜利は割と未開な分野で固有の性質もたくさん持ち合わせていそうなので、昔の科学者がやっていたみたいに「法則はありそうだけどはっきりしていないものをうまいこと説明する変数をいい感じの個数いい感じに選んで設定する」という、「基底を選ぶ作業」が残されていると感じています。これは結構楽しい作業だと思います。

言語化できていないけれど再現性をもって存在してそうな「○○っぽいボケ」っていう認識とか、「この人らしさ」みたいなぼんやり感じているものを、パラメータで表せるようになって、それを分解したり合成したり、たとえ完全じゃなくても結構しっかり記述できるようになったら楽しそうだと思うし、できることもかなり広がると思います。そのためには既存の言葉を流用するだけではだめで、明確に専門用語みたいな感じの新しい言葉を作る必要があるだろうな、とも思っていますが、これはどうなんでしょう。

ネット大喜利の重要な特性として、「飽き」の影響力がかなり強いことがあると思います。回答を簡単に作れるがゆえに1週間とか1日とか4分とかのスパンで回答を出す機会があり、それよりも短いスパンで回答を見る機会があるという、創作の中ではかなり速いサイクルで消費されるものである上に、同じ回答がもう一度出された時に同じように面白いことはなくて評価がかなり下がるという、回答1つあたりの消費期限の短さも持ち合わせています。最初の「繋がり」と「裏切り」の話で言うなら、回答の評価のもとになる「何が繋がっているか」が回答自体の影響を強く受けてしまうという特徴があり、この特徴によって大喜利が複雑で面白いものになっているのは良いんですが、場合によっては安定性のない破綻して見えるようなものになっている状況もあると思います。他の多くの創作はサイクルか消費期限のどちらかが(だいたいは両方が)もっと長いと思うので、ネット大喜利よりかは「どんなものが良いか」「どんなものに人気があるか」が安定しやすいんじゃないかなと思います。破綻しているよりは安定している方が文化として奥深く優れているようにも思えますし、不安定性を排除したくなる気持ちもわかりますが、ネット大喜利の性質から自然に不安定性がもたらされる以上、その不安定性を無視したりなくそうとしたりするのは不自然で、そういう性質も受容しながら何が面白いかみたいなのをうまいこと考えていかないと、無理に評価のルールを設定しても逆に(プレイヤーが感じる)面白さから離れていってしまうんじゃないかと思います。

面白さってそもそもかなり主観的なもので価値観や感覚は人それぞれだとは思うんですけど、だからといって全部同じ価値があるってしなきゃいけないわけじゃなくて、何らかの納得しやすい軸を設けて価値観の優劣を競うことは可能だと思います。

「価値観は人それぞれだよね」とだけ言ってそこで話が止まるのは簡単に止まりすぎで、面白さの感覚が主観的なものとはいえ、全員の主観が完全に各々違っていて何の傾向もないって決まってるわけでもないんだし、同一じゃないだけで類似度みたいな概念は導入できるだろうし、そうなったらうまいことやれば順序も導入できるし、その先で議論しないと見えてこないものもあるんじゃないですか?と考えています。もちろん「いきなり全てを1つの価値観に統合出来る」と思うのは当然これはこれで正しくなさすぎで、どうやっても納得のいく優劣をつけられない部分だってあっておかしくないし、こっちの論者がいたら自他認識が変なことになってる?と思っちゃいますが、とにかく実際はその両極端の中間(どっちに寄ってるかとかはわからないが中間)に目指すべきものがあって、価値観と価値観を一個一個ぶつけ合って、実際どうするのが妥当な感じかある程度手探りで確かめながら、ぼんやりといい感じの方向に向かっていくしかないんだろうなあ、という予想をしています。

話はちょっとズレますけど、「複雑な現実を理解するためにざっくりと切り分けてわかりやすい断面で単純な法則を発見して理解する」のは科学とか知性の第一歩だとは思うんですが、切り分け方にもいろいろあるわけで、複雑性から生まれる認知負荷から自分を守るためにとりあえず導入した雑な一歩目の切り方で停滞する必要はなくて、ある切り方で理解できたならその切り方が完璧じゃない限りそこからより細かく見ていくことができる状態になっていると思うんですよね。現実問題どの程度細かく見るべきかは割けるリソースとか状況によるだろうけど、余裕があるのに止まる必要性はないし、もっと良い切り方を模索していったらいいと思うんですけど、大喜利について(大喜利以外について)の議論みたいなのを見ていると、ある1つの単純な(一応ある程度の筋が通ってそうな)意見で固着してそこで納得した以上に先に進まない、という状況になっていると感じるときがよくあって、別に筋の通し方なんていろいろあるんだから現実を繊細に反映していく方向で何とかならんかねえ、と思っています。

大喜利でやりたいことの話に戻ります。さっき「不安定性を無視したりなくそうとしたりするのは不自然」みたいな話をしましたが、不安定さみたいなのもうまく内包しながら、全体として破綻しない基準みたいなものを示せるようにすることには結構興味を持っていて、「ネット大喜利界の構造を多少変えたりうまいこと何かを権威化したりして文化として形を持ったデカいものにする」という作業は、「絶対自分が今やりたいわけじゃないけど誰かがやる気あるならいっちょ噛みしたい」ぐらいのこととして考えています。プレイヤーとしてネット大喜利に興味を持てなくなって隠居する感じになるんだとしたら、ここら辺の整備的なことをやろうとするようになると思います。

「ネット大喜利が文化として大きな形を持つためにはここを何とかした方が良い、今のネット大喜利が抱えている障害」としては
・経験を積んで培ってきた大喜利の感覚が個人の中から出てこない or 交流のある集団の中でしか共有されない
・議論の記録が残らず知見がちゃんと蓄積しない

ということが例として挙げられると思います。これはネット大喜利が構造上内包せざるを得ない障害ではなくて、単なる環境整備不足なので、言葉を整備したり場所を整備したりすれば解決可能な課題なんじゃないの?と考えています。「界隈に新しく入ってきた人が今までの歴史をなぞった上で最先端までたどり着くのにかかる時間をどれだけ短縮できるか」が文化や分野としての成熟度の指標の1つになると思うんですけど、今のネット大喜利はここら辺パアなので、時間があったら何とかしたい(ここ何とかしたら話変わってくるぞ!)と思っています。「初心者や界隈外の人にも面白さが同じように伝わる回答」みたいなのも、ネット大喜利の文化としての形を整備することによってうまいことなんとかなるようにできると思います(別の方法もあるだろうけど)。

ネット大喜利自体というよりはネット大喜利の人たちにピントを合わせた話をすると、ネット大喜利の人たちの大喜利に対する熱量を何とかして何かに転換して利用するという、プライドで発電するみたいなことができたら面白いと思っています。ネット大喜利って基本的に金銭にもモテにも全然つながらないわりに、ライトな趣味と呼ぶにはかなり高いモチベーションやプライドが集まっていると感じています。プライドとモチベーションを持ち、文の解釈とか推敲に異常なこだわりを持つ謎の集団。今はネット大喜利の閉じた箱の中でエネルギーが渦巻いている状況なので、何とかしてその箱から何かを取り出したいです。どうせなら取り出すのは金銭とかモテじゃない、ネット大喜利をやっている人たちの性質をうまく生かしたものがいいと思っているんですが、みんなが集まるとネット大喜利以外で何ができるんだろう。ネット大喜利の人たちが急に良質な労働力や人的資源になったらかなり産業革命で面白いと思うので、今後もぼんやりとチャンスを狙っていきます。

身の回りの話をすると、大喜利登竜門の機能追加&強化とマイナス点&コメント周りの改善もずっとやりたいと思っています。とけつだいこんと主に2人で開発したり管理したりしてるんですけど、普段の管理とか方針決定とかは9割方とけつだいこんが担っていて、僕はちょっとした事の手伝い&特殊な機能を追加するときにその一部を担当するって感じの作業分担なので、全然とけつだいこんの方がかなり偉いです。登竜門関係で面白いアイディアとか要望とかあったら気軽に教えてください。

あとGiriNewSとは違う方向性で大喜利の人に大喜利観みたいなのを尋ねるインタビュー企画もやりたいと思っていて、質問はある程度考えてあるんですけど、そっちに優先順位を割り振れるようなまとまった時間がなくて放置しています。興味ある人がいたら声をかけてくれたら優先順位が上がるかもしれません。

全然自分の大喜利の具体的な話をしてなかったですけど、普通にTGR防衛戦は勝ち続けたいです。今のところ運と実力がいい塩梅に作用して防衛し続けているんですが、今後もこの調子で少なくとも5回防衛ぐらいはしたいのと、5-0でスカ勝ちするのもやらないとなあと思っています。正直かなり既得権益にしがみついている形ですけど、最初に権益を得たのが完全に自分の力なので、全然誇らしいです。

あとかなり素朴な目標になりますけどチーム戦でも個人戦でもいいのでタイマントーナメント以外の大きい大会で優勝してみたいです。普段は順位よりその時やりたいことをやることを優先していることが多いし、優勝を目標にした上でも優勝することだけを目標に行動したいかと言われるとそうでもないんですけど、みんながやっているようにいい感じのバランスで考えて、一個ぐらい文句なしにハネる回答出して、良いところまで登ってみたいです。

Q8.最後に何か一言お願いします!


いつものことですが長文ですみません!読み返してみたら大喜利を外とか中とかからドライに捉えた文章ばっかりになっちゃってましたけど、全然素朴に、普通にエンタメとして大喜利おもしれ~とも全然思ってるし、大喜利に対してかなり熱量を持ってる方だと思います!大喜利に労力もかけてきたし!最近はあんまりあれだけど、小金沢ビルヂングのデイリー大喜利に投稿したりもしてたし!今後もまだ労力かけれるし!(汗)(汗!)
みんなのGiriNewSもnoteもブログも読んでます!みんなもっと書いて~


ハシリドコロさん、お忙しい中インタビューを引き受けてくださりありがとうございました!

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